宮崎に誕生!初の非住宅パッシブハウス認定オフィス体験記
- Kitayama
- 2025年12月19日
- 読了時間: 4分
― 快適性・先進技術・循環型社会への想いが交差する一日 ―
宮崎県都城市に、非住宅としては国内初となるパッシブハウス認定オフィスが誕生しました。今回は、パッシブハウスジャパンのメンバーであるJuuriの代表として北山が、田中ホームさんの新社屋竣工式記念イベントに参加してきました。

パッシブハウスとは?
「パッシブハウス」とは、高断熱・高気密を基本に、太陽熱や自然エネルギーを最大限に活用し、緻密な計算の下、極めて少ないエネルギーで快適な室内環境を実現する建築のことです。

宮崎は温暖な地域ではありますが、夏は高温多湿、冬は放射冷却で意外と冷え込む土地。こうした環境だからこそ、建物性能の差は体感としてはっきり現れます。少ないエネルギーで一年を通して快適に過ごせる──田中ホームさんがパッシブハウスを選択された理由が、宮崎を訪問してよく分かりました。
無暖房でも春のような室内環境
見学当日、まず驚かされたのはやはりその快適性です。朝晩は肌涼しくなってきた宮崎ですが、建物内は「春」のような心地よさ。暑くも寒くもなく、非常に安定した室温が保たれていました。ちなみに室内は無冷房無暖房でした。

この快適さを支えているのは、壁・屋根・基礎まで連続した高性能断熱や徹底された気密施工もさることながら、徹底的に計算し尽くされた結果と言えるでしょう。
南面には外付けルーバーが設けられ、日中の強い日射をしっかり遮蔽します。
外気温の影響をほとんど受けない、まさにパッシブハウスならではの空間でした。
デザインと性能を両立する設計力

設計を手がけたのは、パッシブハウスジャパン代表理事でもある、キーアーキテクツの森みわさん。
弓なりの切妻屋根が生み出す落ち着いた佇まい。南面に大きく開いた開口部からは自然光がたっぷり入り、オフィス全体が明るく開放的な印象です。南に深くかかる軒とデッキテラス、そこから繋がる庭園空間がとても素敵でした。南面の高性能木製サッシを使用したカーテンウォールと日射遮蔽に欠かせない外付けルーバーが、その機能を担いながら外観デザインの重要な要素にもなっています。

「こだわり抜いたファサード」と本人もおっしゃっていましたが、分かっている人が設計するデザインというのは、やはり違いますね。
コンピューターによる徹底したシミュレーションによって日射取得、遮蔽、断熱、換気──すべてが数値で裏付けられ、理論と実践が高いレベルで融合した、完成度の高い建物でした。そして構造体そのものが持つ緊張感や美しさを感じることが出来、性能だけでなく、構造美をどう見せるかという次のステージも想像させてくれるものでした。
竣工式記念講演:BRING 岩元美智彦さんが語る「楽しむ循環型社会」

竣工式では、株式会社 BRING の岩元美智彦さんによる記念講演も行われました。
岩元さんのメッセージは明快です。
「地下資源を掘らなくても、すでに地上に資源はある」
廃棄衣類を回収・再資源化し、
マクドナルドのハッピーセット
MUJIのリサイクルボックス
東京オリンピックのリサイクルウェアやメダル
などを手がけてきたBRINGの実例は、循環型社会が理念ではなく、すでに実装段階にあることを示していました。
特に心に残ったのは、「楽しむことが参加を生む」という言葉。
「資源の奪い合いが戦争を生む」という指摘も含め、循環型社会は平和につながるという視点に、深く共感しました。
デロリアン登場!BACK TO THE FUTURE な締めくくり

また別の意味で今回訪れた方の注目を浴びていたのがデロリアン。
映画『BACK TO THE FUTURE 2』で、ゴミを燃料に時空を超えるあの車です。(このデロリアンはなんと岩元さんが実際にゴミで動けるように改造しています!)1989年製の実車に乗れる機会は、本当に貴重な体験でした。
懐かしさと未来感が同時に押し寄せる、不思議な締めくくりでした。
非住宅パッシブハウスは、未来のスタンダードへ
今回の竣工式記念イベントを通して、
圧倒的な快適性
非住宅でも成立するパッシブハウス
建築と循環型社会の接続
これらを強く実感しました。
この新社屋は、これからの建築のスタンダードを先取りした存在だと思います。
今回の旅でJuuriのビジョンでもある「これからの新しいスタンダードをつくる」という思いを再確認し、私たちも持続可能で快適な建築の普及に貢献していきたいと考えています。



コメント