Juuri Passive House Report vol.3
- Yoshimi
- 2025年11月14日
- 読了時間: 4分
こんにちは◎
Juuri(ユーリ)のよしみです。
前回に引き続き、私たちがいま力を入れている「パッシブハウス」の魅力についてお話ししていきます!
■ パッシブハウスってデザインの自由度はどうなの?
前回は、パッシブハウスの大まかな設計手法をご紹介しました。
今回は、厳しい設計条件をクリアして現在工事が進んでいる 佐久穂のお家 を例に、
「パッシブハウスのお家って、デザイン的にはどうなの?」
という部分をお伝えできればと思います。
先に結論から申し上げると——
”基本的に、どんなデザインでもパッシブハウス認定は可能です!”
もちろん、認定を取りやすい形状・取りづらい形状はありますし、高断熱が前提となるため「外壁を極限まで薄くしたい!」といった要望にはお応えしにくいところもあります。
しかし、
間取りは自由
平屋でも3階建てでもOK
和風・洋風どちらもOK
板張り・漆喰仕上げなど素材も幅広く対応
と、一般的な住宅で求められるような部分が“パッシブハウスだから制限される”ということはほとんどありません。
■ 佐久穂のお家をご紹介します
ではさっそく、今回の主役となる佐久穂のお家の模型がこちらです。
ご夫婦とお子さま2人の4人暮らしを想定した 25坪の平屋。
「必要最低限の大きさで暮らしたい」というご希望から、
居住空間をぎゅっとコンパクトにまとめています。

●建物が“への字”に折れたユニークな形
この土地は南西から北東方向に細長い形状をしています。土地の形状に合わせて建てると、お家がわずかに南東へ向いてしまいます。
しかし、寒冷地のパッシブハウスでは
”冬場の南からの日射を最大限取り込むことがとても重要”
そのため、できる限り建物は“真南”に向けたい。
けれど、建物全体を真南に向けると土地を斜めに横断する配置となり、外部に無駄なスペースが多く生まれてしまう——。
そこで採用したのが、
”建物の半分は土地の方向に合わせ、もう半分を“への字”に折り曲げて真南に向ける”
というアイデア。

こうすることで「冬の日射をしっかり取り込む」「土地の無駄を最小限にする」の両立ができました。
また、この“への字”はシンプルな外観にアクセントを与え、デザイン面でも良い表情を生み出しています。
■ への字がもたらす暮らしのメリット
● LDKに生まれるゆるやかな“扇状のスペース”
お家の中心部にあるLDKは、への字によってわずかに扇状のスペースが生まれます。これにより——
リビングは必要以上に広げずコンパクトに
その横に並ぶダイニングキッチンは通路幅が確保され、ゆったり快適に
というメリハリのある空間がつくれています。「必要最低限の家にしたい」というお客様のご希望にも、への字が一役買っているというわけです。

■ 断面にも見える“パッシブハウスならでは”の工夫
こちらは断面図です。

玄関からLDKを抜けた先の奥側には寝室・浴室などのプライベートエリアがあります。注目していただきたいのは、
”このプライベートエリアの床がLDKより約50cm下がっている点です。”
● 床を下げた理由:南の大きな窓を美しく活かすため
寝室・子供部屋には南側に大きな窓を設け、冬場の日射をしっかり取り込みたい。
しかし床をフラットのままにすると、
ベッドの側面が外から見えてしまう
ベッド下の空間も丸見えで見た目が良くない
という問題が…
そこで、寝室側の床を50cm下げることで、
”ちょうど“ベッドの上から”が窓になるように調整”
見た目にも整い、日射もたっぷり取り込める最適解になりました。
さらに、この高低差を活かして
子供部屋の上に将来2つ目の子供部屋として使えるロフトを確保
LDK(セミパブリック)と寝室(プライベート)の“空間の区切り”が自然にできる
というメリットも生まれています。
■ パッシブハウスのデザインを決めるのは“方角と窓”
ほかにも細かい工夫はいくつもありますが、視覚的なデザインに大きく関わるのは
「方角」と「窓の取り方」
この2つと言っても過言ではありません。
実は、とてもささやかなんです。
■ デザインの自由度はむしろ広がる
今回ご紹介した佐久穂のお家はあくまで一例。 ほかの設計士さんたちも、さまざまな工夫でパッシブハウスの条件を満たしながら、魅力的なデザインのお家を実現しています。
私自身、今回が初めてのパッシブハウス設計でしたが、
「パッシブハウスだからデザインが制限される」という感覚はまったくありませんでした。
むしろ、“自然の力を利用する”というパッシブハウスの考えが新たな発想を引き出してくれ、より自由な設計ができたように感じています。
■ まとめ:パッシブハウスは「高性能 × デザイン性」を両立できる
冒頭でもお伝えしたように、パッシブハウスを取得するためにデザイン性を犠牲にする必要はほぼありません。
高性能でデザイン性も高い。それがパッシブハウスです!
次回からはいよいよ工事編に突入します。引き続き、お楽しみいただけたら嬉しいです。
…つづく。


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