Juuri Passive House Report vol.2
- Yoshimi
- 2025年11月14日
- 読了時間: 4分
こんにちは◎Juuri のよしみです。今回も、わたしたちが力を入れている パッシブハウスの魅力 をご紹介します!
先日、長野県佐久穂町で計画中の パッシブハウス認定申請予定 のお住まいが地鎮祭を終え、無事に着工を迎えました!
こちらのお施主様は、当初パッシブハウスをご存じではありませんでしたが、環境問題への関心や、原理原則に基づいた家づくりを望まれていたことから、「これはパッシブハウスがおすすめだ!」とご提案したところ、ありがたいことにわたしたちの想いに共感していただき、パッシブハウスを目指すことになりました。
では、パッシブハウスを目指すと決めた時、お家の設計はどのように進んでいくのでしょうか?そして前回お話しした、「断熱性能だけではない なにか 」とは一体何なのか?今回は、そのあたりを詳しくご紹介します!

■ 前回のおさらい:パッシブハウスの基本となる適合条件
・冷暖房の年間需要:各 15 kWh/m² 以下・年間一次エネルギー消費量:120 kWh/m² 以下・50Pa 加圧時の漏気回数:0.6 回以下(気密性能)
パッシブハウスはどうやってつくる?
この難しい条件をクリアするために、全国のビルダーや設計事務所は日々研究し、情報交換を重ねています。方法は各社さまざまですが、大きく分ければ次の3つです。
断熱・気密性能を高める(大前提!)
自然の力を利用する
省エネルギーな冷暖房・換気設備を導入する
1. 断熱・気密性能を高める(大前提)
高性能な断熱材を“厚く・隙間なく”施工することが基本です。 魔法瓶が良い例で、断熱性能が高ければ中の温度を長く保てますよね。家も同じで、断熱がしっかりしていれば冷暖房に使うエネルギーはグッと減ります。
ただし、断熱材の性能を上げれば上げるほどコストも上がります。つまり、“たくさん断熱すればいい” だけでは限界があるのです。
3. 省エネルギーな設備を導入する
こちらも大事ですが、高性能な設備ほど費用は増えますし、設備に頼りすぎると本来のパッシブハウスの思想から離れてしまいます。前回お話した通り、設備に頼らずとも快適に暮らせる家自体の力が大切です。
そこで重要になるのが「2. 自然の力を利用する」
ここがパッシブハウスの最大のポイントであり、難しくもあり、設計者が一番頭を悩ませるところです。Juuriが通常ご提案している家づくりとの大きな違いでもあります。

自然の力を利用するとは?
太陽光パネルなどの話ではなく、もっと“建物そのもの”に関わる部分です。
特に大きいのが 日射のコントロール。
・冬は日差しを取り入れて暖かく
・夏は日差しを遮って涼しく
これは一見あたりまえのようですが、パッシブハウスではこれを 定量的に検証し、窓の位置・大きさ・数・方角を緻密に設計します。
PHPP & designPH 。パッシブハウスのための専用ソフト
パッシブハウスの適合性を検証するため、主に以下の2つのソフトを使用します。
■ PHPP
建築地の気候、断熱材、窓性能、設備仕様などを入力することで断熱性能とエネルギー消費量を詳細に計算します。
■ designPH
建物と周囲の環境(他の建物、樹木、地形など)を3Dで再現し、日射や影の影響をシミュレーションします。
この2つを使って、・断熱の仕様を検討・日射をコントロール・“冬暖かく、夏涼しい家” を設計していきます。
パッシブハウスの難しさ
たとえば寒冷地で暖房消費を減らすために南側に大きな窓を設けるとします。冬は日射熱で暖房エネルギーが減りますが、対策をしなければ夏は暑くなり、今度は冷房エネルギーが増えてしまいます。
暖房を抑えれば冷房が増え、冷房を抑えれば暖房が増える…。
この絶妙なバランスを整えるのが、本当に難しいのです。
冷暖房のどちらかだけではなく、 一年を通して、寒い地域でも暑い地域でも、両方のエネルギーを最低限に抑える。 これを実現するために、PHPP・designPH・図面を行き来しながら微調整を重ねていきます。


省エネ性能だけ考えればいいわけではない
住まいには、
・生活スタイルに合う間取り
・デザイン性
・コスト
・耐震性
・敷地条件や隣家との関係
など、さまざまな要素があります。
パッシブハウスではこれらを満たしながら、さらに厳しい適合条件もクリアしなくてはなりません。
しかし、この認定をクリアすることで、家の省エネルギー性能と快適性が確実なものになるという大きな価値があります。
さいごに
パッシブハウスの魅力をお伝えするつもりが、少しハードルの高い話になってしまいましたが…(笑)次回以降は、実際に着工した物件を例に、より身近に感じていただけるようご紹介していきます!
…つづく。


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