Juuri Passive House Report vol.1
- Yoshimi
- 2025年11月14日
- 読了時間: 5分
こんにちは◎
Juuriのよしみです!
お家の断熱や省エネに興味がある方なら、一度は耳にしたことがあるであろう「パッシブハウス」。実はわたしたちも、長年ひっそりとパッシブハウスの設計に取り組んでおりまして、2024年についに、Juuriとして初のパッシブハウス認定物件の申請にこぎつけました。さらに現在、申請予定の物件が二件進行中!
せっかくなので、より多くの方に「パッシブハウス建てたい!」と思ってもらえるよう、この場を借りて工事の様子や設計の考え方を、今後定期的に発信していこうと思います。
実はこのパッシブハウス、知れば知るほど本当におもしろくて……。わたし自身、2022年に家を建てたばかりなのですが、すでに「パッシブハウス建てたい!」という気持ちでいっぱいです。そんな魅力を少しでも感じていただけたら嬉しいです。また、この場ではあまり専門的になりすぎず、ライトに魅力をお伝えしたいと思っています。専門家から見れば「おい!」とツッコミたくなるところもあるかもしれませんが、あたたかい目で見守っていただければ幸いです。
それでは今回は、「そもそもパッシブハウスってなに?」というところからお話ししていきます。

■ パッシブハウスとは?
いきなり難しい話になりますが、パッシブハウスとは 断熱材・高性能窓・熱ロスの少ない換気システム などを駆使し、世界で最も厳しい性能基準を満たした住宅 のことです。
この認定基準はドイツで生まれ、環境先進国である同国の省エネ基準を常に大きく上回り続けています。
つまり、世界トップクラスに省エネルギー性能の高い住宅をつくるための基準 といえます。
さて、そもそも「お家のエネルギー」とは何かというと、冷房・暖房・給湯など、“熱” に関わる設備が多くを占めています。そのエネルギー源は電気・ガス・灯油・薪などさまざま。
つまり、お家の省エネルギー性能を高めるということは、冷暖房や給湯のエネルギー使用をなるべく抑えながら、なおかつ “快適に” 暮らす ということになります。
ここでポイントなのが、この “快適に” の部分。エアコンの冷やしすぎで足先がキンキン、暖房の風が生ぬるい、上下の温度ムラでなんだか気持ち悪い……。
日本ではよくある光景ですよね。
省エネルギー性能が高い家では、
快適な室温を、冷暖房器具をほとんど使わずに維持できる ようになります。
「省エネ=我慢してエコ」ではなく、 実は、“省エネルギーと快適さはイコール” なのです!

■ 日本の省エネルギー住宅事情
そんな良いことづくめのパッシブハウスですが、国内での普及件数はまだ約100件程度。というのも、日本が住宅の省エネ化に本格的に取り組み始めたのは、実はごく最近なのです。
ドイツなど多くの先進国には、省エネルギーに関する義務基準がありますが、日本には長らくそれがありませんでした。
極端に言えば、どれだけエネルギーを垂れ流す家を建ててもOKだったのです。
しかし、世界的な環境問題の深刻化を背景に、2020年頃から日本も動き始め、2025年には日本初の省エネ義務基準が新設される予定。補助金制度も増え、「省エネ住宅」「高気密高断熱」という言葉がようやく浸透しつつある状況です。
そこで最近よく耳にするワードが 「ZEH(ゼッチ)」。「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、日本の省エネ住宅に対する認定基準のひとつです。2030年には、このZEHレベルが国の最低基準になる計画もあります。
一見「エネルギーゼロの家で最強なのでは?!」と思ってしまいますが、
ZEHの仕組みは少し複雑です。
ZEHの条件は、
・基準一次エネルギー消費量から20%以上削減
・さらに太陽光などの創エネルギーを加えて、100%以上削減できること
と定義されています。
ここでいう「基準一次エネルギー消費量」は、昔(平成28年)の省エネ基準をもとにした値。つまり、
もし昔の仕様で建てた場合の想定エネルギー消費量を、断熱性能UPで20%減らして、残りは自家発電でまかなえれば“ゼロ扱い”になる
という、ちょっとメタな基準なんです。
そのため、断熱性能がそこまで高くなくても、太陽光パネルで大量に発電すればZEH認定は取れてしまいます。
でも、先ほど述べたように“省エネルギー=快適”。 どれだけエネルギーを作れても、建物自体が省エネルギーでなければ、快適にはなりません。

■ パッシブハウスの認定基準
では、パッシブハウスの基準とはどんなものか?主な条件は以下の3つです。
冷暖房の年間需要:各15kWh/m²以下
年間一次エネルギー消費量:120kWh/m²以下
気密性能:50Pa加圧時の漏気回数0.6回以下
その他にもいくつか詳細な基準がありますが、まずはこの3つが大きな柱です。
つまり、「家が消費するエネルギー量そのものが“絶対値”として厳しく制限されている」のがパッシブハウス。
ZEHよりもずっとシンプルで、なおかつ厳しい。そして冷暖房需要が各15kWh/m²しかない環境というのは……とてつもなく快適です。
ただし、これを達成するのは本当に難しい!
ZEH基準レベルの断熱性能では到底届きません。Juuriで標準的にご提案している断熱性能であれば近づけますが、それでも “断熱を強くするだけでは辿りつけない” なにか が必要です。
その“なにか”こそが、パッシブハウスの最大のおもしろさであり、これからの家づくりに欠かせない考え方なのです。
■ 次回
次回以降は、現在工事中のパッシブハウス認定申請予定物件の写真や図面を交えつつ、その難しさやおもしろさを少しずつご紹介していきます。
初回ということでやや長く、少し小むずかしい内容になりましたが、今後はもっとライトに、わかりやすくお届けしていきますので、ぜひお楽しみに!
…つづく


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