七里ヶ浜で体感するパッシブハウス
- Usuda
- 11 分前
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こんにちは。 Juuriの臼田です。
2025年12月22日、神奈川県鎌倉市七里ヶ浜にて
「七里ヶ浜の家 完成見学会」が開催されたので、見学に伺ってきました!

今回の見学会は、パッシブハウス(申請予定)の住宅を、実際の空間や温熱環境を通して体感できる機会として企画されたものです。
今回の計画では、設計者兼施主でもある株式会社ラクジュの近藤さんがパッシブハウスの設計経験がなかったこともあり、”株式会社あたらしいこと”が、パッシブハウス計画のコンサルティングを担当したとのことです。
株式会社あたらしいことは、PHJ(パッシブハウス・ジャパン)の賛助会員や理事メンバーで構成されたチームで、PHJではおなじみの方々が関わって新しい取り組みをしています。
*株式会社あたらしいこと
そういった背景もあり、見学会では断熱仕様や外皮構成、気密性能、換気・空調計画について、かなり踏み込んだ説明を聞くことができました。
・建物計画について
建物は正面をやや南西に向けて建てられた二階建て住宅で、一階に寝室と水回り、二階にLDKを配置するプランです。
二階南側の開口部からは南西方向に湘南の海が広がり、夕日もとてもきれいに見えました。
延床面積は134㎡とのことですが、開口部の取り方や天井高さのバランスもよく、数字以上に伸びやかに感じられる空間でした。
・換気空調計画について
換気・空調設備には、Zehnder CHM200(HP式全熱交換換気システム)を1台採用しています。
CHM200は、全熱交換型の第一種換気にヒートポンプを組み合わせた換気冷暖房ユニットで、換気と暖冷房を一体で担うシステムで、特にPHJ界隈ではよく見かけるシステムになってきましたね。
*詳しくは Zehnder代理店 FFFホールディングズHPにて
設置場所はシューズインクロークの天井で、表しで設置されていました。
フィルターが本体前面に内蔵されているため、メンテナンス性を考えると表し設置のほうが合理的だなと感じました。
*赤いところがフィルター内臓部分です

操作は二階LDKにあるタッチパネル式の操作盤で行います。
この日の外気温は3℃でしたが室温は24.8℃、相対湿度は47%と非常に安定した室内環境で、全熱交換と高断熱・高気密の効果を、数字と体感の両方で実感できました。

また、同時給排型レンジフードの上部にガラリがあり、「これは何だろう?」と思ったのですが、意匠的にレンジフードを隠したことで幕板側の吸気口が塞がってしまい、今後ダクティングして上部から給気する計画とのことです。
まだ繋げてないから!残工事だから! と三原さん。

・窓計画について
窓には、高性能木製窓Smartwin(スマートウィン)が採用されていました。
Smartwinは、ドイツでパッシブハウス用として開発された高性能木製窓システムで、トリプルガラスと高断熱フレームにより、非常に低いUw値を実現できるのが特徴です。
日本では香川県の佐藤工業さんが「佐藤の窓」として国内生産・供給しています。

今回の住宅では、枠に格子を組み込んだ特注仕様の窓が南側と北側に採用されており、開口面積が大きくても視覚的なボリューム感を抑える工夫がされているように感じました。
また、温暖な地域のパッシブハウスでは重要な要素となる日射遮蔽として、外部ブラインドも設置されていました。
夏期や中間期の日射遮蔽はもちろん、住宅地という環境の中で、外部からの視線をコントロールできる点でも、外付けブラインドの効果は大きそうです。

・仕様計画について
外皮仕様は、基礎にパフォームガード、壁は外張りにネオマフォームを用い、充填断熱としてセルロースファイバーを施工。
屋根も同じくセルロースファイバーで、バルコニーなどのね全体として熱橋を抑えた断熱計画になっているとのこと。
内装の壁には、柿渋を使った珪藻土仕上げの「パーシモンEウォール」を採用。
自然素材でありながら調湿や消臭といった機能性もあり、ワンちゃんと暮らす住まいという点を考慮して選ばれたそうです。

気密測定の結果はC値0.04、漏気回数は0.11回相当とのこと。
数値を見ても、かなり高い施工精度で仕上げられていることが分かりますが、気密性能が高すぎると、気密測定機器によっては数値が出ないようで、苦労したそうです..
パッシブハウスの考え方や基本的な設備計画については、Juuriでも採用している内容が多く、共通する思想や技術を、別の設計・施工による実例として体感できたことが大きな収穫でした。
理論や数値だけでなく、実際の住まいとしての快適性を確認できたことで、その有効性をあらためて実感できる見学会でした。



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